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介護四苦八苦

介護四苦八苦

骨折だけは

 1ケ月前のことです。
夜中便所に行き、手洗いをすませベッドに帰る途中で転倒。
ベッドで背中を強打。受診をすると、痛み止めの処方箋。

背中が赤くはれ上がっています。骨には異常なしとのこと。
ですが、特に、夜同じ姿勢で寝ることがむずかしく、横になったり、座ったり。
眠りも浅く、『いたい、いたい』の連続。
こんな時に限って、1時間おきの便所。
安全を考えて、となり寝るのですが、音がするたびに目がさめます。
全介助、なかなか大変、昼間も痛いの連続、おばあさんも我慢の連続。
時間とともに、少しずつ痛みも落ち着き、色も赤から黒色にに変化。
痛い箇所も、左肩甲骨から右肩甲骨、次は肩に。

 時間とともに最近、やっと痛いということも少なくなり喜んでいたのですが、
ショートスティから帰った日の夜、どんな様子か気になるので行ってみると、
床に座りこんで、身動きがとれなくなっています。(AM3:30分)
聞いてみると、ベット横の便座に座ろうとしたけど、うまくいかなかったとのこと。
二言、『助けてもらって』『なんでわかったん
幸いにも痛いところもなかったので、安心したのですが。
骨粗しょう症で骨ももろくなり、歩行器で歩くこともなかなかむずかしくなっています。
 おばあさんの部屋から音がしたり、逆に静かすぎたりすると気になる毎日です。
何とか、骨折だけは避けられるように家族で声かけあいながら、
目くばり、気くばりをしていきたいと思う毎日です。
 

 

『う~ん、うん』『なんと、うまいなあ』

 おばあさんが特に好きな食べ物は、味噌汁、パン、やさいです。
生やさいや煮物などが食卓に並ぶと、「これこれ」と言いながら、
とてもおいしそうに食べます。
 また、 『う~ん、うん』『なんと、うまいなあ』
食べるとき、何度も首をたてにふりながら、いつも言うことばです。
さしみは少し苦手ですが、好き嫌いなく、なんでもおいしく食べることができます。
ふつう食で、食事の量は、少しずつ減ってきていますが、96歳の高齢のわりには、
食欲旺盛だと感じています。食べ物がおいしく思えること、とても大事なことだなあ
と、おばあさんを見ていて思います。
 そして、食事をするおばあさんを見ていて感心することがあります。
それは、茶わんや皿につけたものは、洗ったのではないかと思えるほど、きれいに
食べます。最後は、お茶を入れて飲みほしきれいにします。焼き魚の食べ方は、
家族の中で、一番上手です。若いころから、『もったいない』と言いながら、食べて
いたことを思いだします。見習いたいと思いますが、なかなかできません。
 この前、妻がいったん汁椀をしまったけど、洗っていないことに気づいたそうです。
あまりにもきれいだったと、笑いながら話してくれました。
 食は、日暮しの中で楽しみでもあり、元気の源です。
これからも、しっかりと口から栄養をとり続けてほしいと、願っています。





 

 

仏さんとおばあさん

 朝起きてすることは、仏壇の前で歩行器によりかかりながら、
こうげんぎぎ、いじんむごく、にょぜえんみょう…』 讃仏偈のお経を読みます。
でも最近は、立って読むことが大変だと言うことが多くなってきました。
 また、月一回、病院に行くのですが、
必ず、『仏さん、行ってきます』と、言ってから家を出ます。
受信後、売店によりおばあさんの食べたいお菓子を買いによります。
そのときは、車いすに乗って見てまわります。
ふだん外出することが少ないので、とてもうれしそうです。
 薬をもらい家に帰ると、『仏さん、帰りました
さっそく、買ってきたお菓子を仏壇におそなえします。
「どうして?」と聞くと、『すぐ食べると、仏さんに申し訳ない』と言いいます。
 おばあさんのこんなふるまいを見ていると、とても有難い気持ちになります。
おばあさん、ありがとう。

 

ドキドキ!電話がかかると

 電話がかかってきました。ショートステイ先からです。ドキドキしながらでると、
『おなかがただれているので、薬を持ってきてください』とのこと。そのとき、「ああ!」
思い当たることがうかびました。それは、以前からときどきおなかが痛いと伝えてくる
ことがありました。「それだったんだ」と思いました。
 ですが、おばあさんもいつも、『治った。もう大丈夫』と言うので、それほど気にしてい
ませんでした。ショートステイに入所する前日に風呂に入ったのですが、最近、とくには
ていねいに洗ってはいませんでした。 確かに考えてみれば、身体がくの字に曲がりし
わがよっているので、不衛生になりがちです。
 ショートステイ先の指導員さんによれば、風呂に入ったとき、おなかがただれているこ
とわかったそうです。ていねいに洗ってくださり、気づいてくださったことに感謝です。
 自分で対処することがむずかしくなってきているおばあさんです。まわりの者がもっと
心配りができる知識や能力を身につけなければならないと、反省するできごとでした。
 これまでも、熱がでたので迎えにきてほしいなど、ときどき電話がかかってきます。
高齢ですので、電話がかかってくると、ドキドキします。

 

外出するときの伝え方と介助のむずかしさ

 今日はショートステイに行く日ではないのに!、もちろん伝えてないのに!
暖房の入っていない部屋の中で、今日も朝早くから起きて、上着や紙パンツなどショートステイ
に持っていくものを準備しているおばあさん。ここ何日か同じことが続いています。えもん掛けが
落ち、タンスから出したものをベットの上に並べています。。(年を重ねるたびに、よりひどくなって
いるように感じています。)そのうち、古い補聴器を取り出したり、ティシュボックスの紙をたたんだ
りとベットの上がいっぱいになります。
 「おばあさん、まだいかないよ」「今日は、行く日じゃあないよ」すると、「ああそうか」納得したよ
うな様子なので部屋を出て、しばらくして行ってみると、また同じように準備中。午前中、こんなや
りとり。自分も、だんだんテンションがあがり、声のトーンもあがり、イライラ感が強くなってきます。
 午後になると、「朝、来るように電話があった」「行くように言ったから、断りの電話をしてほしい
と言いますので、「まだ、電話がないよ」「おばあさんの勘違い」と、くりかえし伝えています。今日
は、こんな状態が夕方まで続きました。あああ、疲れた。
 特別養護老人ホームのショートステイに通いはじめて1年と半年がたとうとしています。はじめは、
ショートステイに行く日を2~3日前に伝えていたのですが、準備のための出し入れをひんぱんに
するので、今は準備期間を短くするために前日の午後に、ホワイトボードに書いて知らせるように
しています。でも、伝えるのが遅くなると、「もっと早くおしえてほしい」と言うことがあります。また、
持っていくものは、本人といっしょ準備をするようにしていますが、朝早くから起きて準備することが
多く、こけて怪我をするのではないかと、ヒヤヒヤしています。それは、出発する当日の朝にこけて
いることが
何回かあったからです。
 先日も、インフルエンザ予防接種を受けることを前日に伝えると、当日の朝2時頃から準備をしていまし
た。よりよい健康状態で受けなければならないのに、失敗してしまいました。むずかしい!
 自分の意志で外に出ることができないおばあさん。天気のいい日は、玄関先でできるだけ日向ぼっこを
するようにしていますが、同じ部屋の景色や空気をすうことの多いおばあさん。ショートステイに行くことを
前向き思っているおばあさん。生活の中の出来事を、理解することがだんだんむずかしくなってきている
おばあさん。
 ショートステイなど、外出するときの伝え方やおばあさんの気持ちにそった介助の仕方、自分自身の
心のもちようなど大変難しいと思う毎日です。
 

 

へそまがり

腰がくの字にまがり、へそまわりがたるんでいるので、どうしても皮がひっついてしまいます。
それで、どうしても不衛生になり皮膚がただれることがあります。そのため、ときどき薬をつけて
います。また、おばあさん専用の薬でまちがわないために、ふたの上に、<へそのまわりの薬>
と書いています。ベッドに座り薬をつけ、大笑いしながら、「○○←(自分の苗字)のへそまがり
と言ったのです。近くにいた妹も、おもわず笑いころげてしまったと教えてくれました。

 辞書で調べてみると、<へそまがり~性格がひねくれていて、素直でないこと。>
おばあさん自身が自分をへそまがりと思っているかどうかはわかりませんが、ダジャレを言ったことに
お驚きました。ダジャレは、男性でおやじの人がよく言っている人をみかけます。ダジャレは、側頭葉
でことばを思い出し、次に前頭葉で考え、口からことばを発するそうでする。そのとき、前頭葉は暴走
モードに入っていると科学的に証明されているそうです。女性は、身近で生活にそったものを連想し
若いひとは、理性が働くそうです。おばあさんも薬をつけるとき、きっと前頭葉が暴走モードに入って
いたのでしょう?。ちなみに私は、暴走モード真っ盛りです。

 

足が伸びたんかなあ?

夕食後、パジャマに着替える時のことです
(立ったままですることはむずかしいので、ベットに腰をかけながらしています。)
腰も、くの字に曲がり、両肩とも痛いため、いつも苦戦をしています。特に、ズボン
をはくときに時間がかかります。左足は何とか入れることはできますが、右足は左
が十分でないため、なかなかです。時間がかかるために手伝いたくなるのですが、
何とか自分の力でやった方がいいと思っているので、我慢するようにしています。
(残っている能力をつかってほしい)なかなかできないので、私がイライラして手伝おう
とすると、一言、「足が伸びたんかなあ?
いっしゅん、イライラがどこかに、そのことばに感心しました。96歳のおばあさん
なかなかやるねえ!

 

初めてしたけェ!

昨夜のことです。
いつものように、夕食を食べ終わると自分の部屋の洗面所にいきます。
寝るために口をゆすぎ、入れ歯をはずします。(3か所の骨折のため、自分
の力で移動することが難しいので、介助用イスに乗ります)
そのときです。突然声をおしころしながら笑い出したのです。
運悪く、後ろから腰を支えていると、何やら香ばしいいい匂いが…
そのうち、笑い声が大きくなると同時に、「プッ」「プー」「ブー」
「おばあさん、したろう」と言うと、
「初めてしたけェ」
いつもしているのにと思いながら、臭かったけど、何かホッとする出来事でした。
もちろん私も、ふだん家族の前で遠慮なくしています。

 

 

 

来年の1月で97歳になるおばあさん(母)

この3年の間、3度の骨折(左右大腿骨転子部骨折・胸腰椎圧迫骨折)
手術、リハビリのため、計7回の入院生活。
そんな苦痛なできごとを、たくましく乗り越えてよみがえってきたおばあさん。
毎日よく食べ、しゃべりまくるおばあさん。100歳まで生きると言っているおばあさん。
毎日のおばあさんの行動やことばに、「八ッ」と気づかされたり、驚いたり、考えさせられたりすることも。
また、、逆にイライラすることや悩むことの多い小心者の私。
超高齢社会の中、おばあさんを通して感じたことや思ったことなど、書いてみたいと思っています。
どうぞ、よろしくお願いします。